先制医療という考え方

最近、医療業界において「先制医療」という言葉をよく耳にするようになりました。今回は、先制医療についてお話したいと思います。

「先制医療」とは、個人の遺伝子,mRNA,タンパク質,代謝産物,画像等のバイオマーカーを用い,将来起こりやすい病気を疾患の発症前に診断・予測し,介入するという予防医療である。 先制医療が実現すれば,高齢化に伴い高騰する医療費・介護費の抑制に加え,治療成績の向上や健康寿命の延長も見込めるとして注目を集めている。〈引用:医学書院〉

 歯周病から全身疾患を発症することが叫ばれている現在、口腔ケアを重要視している歯科医療において、高齢者や有病者の摂食・嚥下を改善する口腔ケアも再認識されています。
歯科以外の医療職と歯科の連携が求められている現在、歯科領域は、誤嚥による肺炎予防、周術期や介護での口腔ケア等、口腔リハビリテーションへと広がりををみせ、多職種協働によるさらなる連携が不可欠となっています。
歯科分野において先制医療という考え方は、以前から「歯周病の定期健診」、「介護の現場におけるオーラルフレイル予防」などで始まっています。
 疾患によっては不可逆的な病変も存在するわけで、病気になる前に原因を未然に取り除くという考え方は、これからの社会生活を過ごしていく上でも重要な事だと考えます。