知ろう!気づこう!根面う蝕

今回は根面う蝕という虫歯は歯肉退縮により露出した根面に発生するう蝕についてお話したいと思います。



高齢者のお口の中によく見られるむし歯で、老化や薬剤の影響によって唾液の分泌量が低下した高齢者では歯周病などと同じく高まっていきます。
根面う蝕は,歯周疾患に罹患した歯の歯ぐきが下がり,歯根面が露出した結果発生するむし歯です。歯根面は、かみ合わせ等の部分にあるエナメル質とは違い、(セント質に覆われた)象牙質なので、エナメル質より柔らかい組織です。ですので、気づかないうちにむし歯の進行が進んでいることが多く、歯の神経に近接した位置から始まるため、進行するとすぐ歯の神経まで到達してしまいます。
また、側方へも進行することから、根面が全周にわたってう蝕に侵され、歯根が折れ歯冠がまるごと喪失してしまう症例もあります。



根面う蝕の予防は難しいといっても、 むし歯であることには変わりありません。 食生活をはじめとした正しい生活習慣を守り、 むし歯を引き起こす細菌の塊(プラーク)をきちんと除去することを心がけましょう。歯ブラシ以外にも歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃用具は必要です。
 また、フッ素入りの歯磨剤を使用する、フッ素入りの洗口剤を用いる、フッ素入りジェルを塗布するなどのフッ素によって歯面の耐う蝕性を向上させる方法も有効です。ただ、フッ素にだけ頼るのは間違いであり、あくまでプラークコントロールが第一であることを忘れないでください。