奥歯を抜歯した後、どうすればいいのか迷ってそのままにしている方も多いと思います。奥歯のように見えないところであればそのままでもいいのかなと思ってしまうこともあるかも知れません。
しかし、奥歯を抜いたまま放置するとかみ合わせが狂って、体のバランスまで崩れてしまうこともあるのです。
それだけ奥歯は重要なのです!!
今回は、奥歯の役割や抜歯後そのままにするとどうなってしまうのかをお話します
噛み合う歯が伸びてくる
上下の歯は、咬み合うことによって伸びて来ずそこに留まっています。上下どちらかの噛み合う歯がなくなると、今までかみ合っていた歯が伸びるように動いてきます。歯だけが伸びて埋まっている骨から徐々に出てきてしまうこともあれば、骨ごと動いてしまうこともあります。
前後の歯が倒れてくる
歯は常に前に動こうとする性質があります。抜歯すると無くなった部分を補おうとして後の歯が前に倒れてきます。斜めになってしまった歯は汚れが溜まり、虫歯や歯周病になりやすくなります。また、その後治療をしようとした時に戻すのに時間がかかります。
奥歯がなくなると出っ歯になる
奥歯は顎やかみ合わせを支える重要な柱になっています。奥歯が無くなると噛み合わせが低くなり、前歯が強くぶつかるようになります。その結果、前歯が外に倒れて徐々に出っ歯になってしまいます。
発音がしにくくなる
奥歯がないと話す時にそこから息が漏れてしまい、ラ行が聞き取りにくい発音になります。発音はご自身ではわかりにくいのもですが、奥歯がなくなると舌の位置や頬の筋肉の位置が変わり、話にくくなることがあります。
噛み砕くことが出来ず胃腸に負担がかかる
奥歯が1本失うことによって噛む力は30%~40%も低下してしまいます。歯によって食べ物をしっかり噛み砕くことができないため、胃腸に負担がかかってしまいます。年齢が若いうちはそれほど負担にはなりませんが、年齢とともに胃腸への負担は大きくなります。
顔の形が変わってくる
片方の奥歯がなくなることによって、噛み癖が付いてしまいます。奥歯がある方ばかりで噛むようになり、顔の周りにある噛む筋肉の太さが変わってきます。噛める方の顔は張りがあり、噛めない方の顔は張りがなくなり年を取ったような顔になります。そのため左右の顔が違って見えてしまいます。
体のバランスが崩れる
奥歯がなくなり噛み合わせのバランスが崩れることによって、体のバランスも崩れることがあります。顎は奥歯と顎の関節によって位置が決まります。奥歯がなくなることによって、顎の位置が変わってしまい、体全体が歪んでしまい、平衡感覚が失われてしまうこともあります。
認知症のリスクが上がる
顎の筋肉や顎の神経は頭や脳に直接つながっています。奥歯でしっかり噛むことによって脳は刺激を受け、活性化します。それによって認知症のリスクを下げることができます。また、成長期の脳の発育にも奥歯でしっかり噛むことは重要です。
スポーツの時、瞬発力が失われる
瞬間的に力を入れるとき、奥歯で食いしばることによって体の体幹を固定します。奥歯で食いしばれないと体のバランスが崩れ、瞬間的な力を出すことができなくなります。
抜歯した奥歯をそのままにせず、インプラントや入れ歯、ブリッジなどで治療しておくことはとても大切な事です。