舌の汚れ(舌苔)と「発がん性リスク」

以前、舌苔について(舌苔クリーン大作戦)お話しましたが、今回その舌苔が癌の発症と関係あるという研究発表が出ましたのでご紹介いたします。

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舌の上に白い苔のように付着している汚れ「舌苔」は、白色のリンパ球、上皮細胞、食物残渣などが舌上にたまってできたものです。口の中にいる細菌の温床となり、口臭の原因になります。

 岡山大学の研究論文

 研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)予防歯科学分野の森田学教授、横井彩氏、北海道大学山崎裕教授らの研究チームによるもので、医学誌「Journal of Applied Oral Science」に3月6日付けで発表されました。

研究チームは、舌苔の面積と口の中のアセトアルデヒド濃度に関連について、65人の男女を対象に調査しました。その結果、舌苔が舌全体の2/3以上に付着した人の呼気中のアセトアルデヒド濃度は、舌苔の付着が舌全体の1/3以下の人の約3倍に達することが判明しました。

アセトアルデヒド

 アセトアルデヒドは、アルコールを代謝する過程で産生されるほか、口の中の細菌がアルコールやグルコースを代謝すると産生されます。このアセトアルデヒド濃度が高くなると発がん性が高くなるといわれています。

 研究では、舌苔からアセトアルデヒドが発生していることを確認するとともに、舌苔を取り除く舌清掃を行うと、口の中のアセトアルデヒド濃度が減少することも確かめました。

人口動態調査

 人口動態調査によると、「口唇、口腔及び咽頭の悪性新生物による死亡率」は人口10万あたり5.7人。「舌を清掃するとがんを予防できる可能性がある。舌苔とがんの発病との関係や、舌苔の中のどの細菌がアセトアルデヒドを産生しているのかなど、さらに研究を重ねる必要がある。」と、研究者は述べています。

歯みがきの時に舌も一緒にクリーニングをすることで、口臭予防・がん予防につながるので、しっかり舌もケアしましょう!