虫歯の予防策として代表的なのが、「フッ素を塗布する」という方法です。フッ素は歯質を強くする作用があり、初期状態の虫歯なら治すことも可能です。(フッ素ってどういう働きをするの?参照)
そして、このフッ素は大人だけでなく、子供や赤ちゃんにも効果があります。大切な赤ちゃんが虫歯にならないために、毎日の歯磨き以外でフッ素を取り入れることをおすすめします。
再石灰化を促してむし歯を予防
人は食事をすると、カルシウムやリンが溶け出す「脱灰」というサイクルを繰り返します。これが虫歯のきっかけを生む訳ですが、唾液が溶けた成分を元に戻してくれることで虫歯を防ぐことができるのです。これを「再石灰化」と呼んでいて、フッ素はこの再石灰化を促進させることが可能です。
生えたての赤ちゃんの歯こそフッ素が有効
フッ素は生えたばかりの赤ちゃんの乳歯にこそ効果的です。乳歯は大人の歯(永久歯)よりも薄いので虫歯になりやすく、進行も早いのが特徴です。
フッ素を塗るタイミングとしては、乳歯が生えた直後に塗るのが最も効果があるとされています。普段きちんと歯磨きを行った上でぜひフッ素塗布を試してみましょう。
自宅と歯科医院でフッ素塗布
赤ちゃんのフッ素塗布を行う方法として、下記のように2つの方法があります。
①自宅でフッ素配合のジェルを塗る
おすすめの製品は、ライオンから販売されている「チェックアップジェル」という製品です。味はバナナ、ピーチ、グレープなど豊富です。
「ライオン チェックアップジェル」
ライオンのHPでは年齢によって味の種類が異なることが明記されています。これはフッ素の濃度が異なるためで、濃度は子供向けのバナナ味が「500ppmF」、ピーチとグレープが「950ppmF」です。(当院でも販売しています。)
日本の薬事法によりフッ素の濃度は1000ppmF以下と定められています。赤ちゃんの場合は、濃度が低めのバナナ味がおすすめです。また、赤ちゃんの場合、歯が生え始めてから2歳までは、切った爪の大きさ程度のジェルの量で十分です。お母さんが仕上げ磨きを行う際に赤ちゃんに塗ってあげましょう。
②歯医者さんでフッ素を塗る
乳歯が生えそろうのは2歳半頃ですが、上下の前歯が生えてきたら自宅や歯医者さんでフッ素を塗ることをおすすめします。
歯医者さんでフッ素を塗るメリットとして、『赤ちゃんを歯医者さんに慣れさせておく』という側面があります。また、市販のフッ素よりも濃度が高く予防効果があるので、歯医者さんでフッ素塗布を行うメリットは十分にあります。プロの意見を参考にした意味のある虫歯予防になるはずです。3ヶ月~6ヶ月を目安に歯医者さんでフッ素を塗ることをおススメします。