前回はお口の中の金属アレルギーについてお話ししました。(参照:お口の中の「金属アレルギー」ご存知ですか?)
今回は金属アレルギーになるとどういう症状が出るのか?についてお話しします。
お口の中の金属アレルギーの症状は口の中やその周囲に出る場合と、全身に出る場合の2つに大きく分けられます。
口の中・周囲に出る場合は、唾液に溶け出した金属イオンが口の中や周囲にアレルギー反応を起こします。次のような病気があります。
●口内炎・舌炎
口内炎が頻繁にできたり、舌に炎症を起こすことがあります。
●口唇炎・口角炎
唇の周りが赤くただれたり、口の両端(口角)が赤く炎症を起こして切れたりすることがあります。
●口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)
口の中の粘膜(特に頬っぺたの粘膜)に白い線状、レース状、網目状の模様が現れ、周囲が赤くただれます。触れるとピリピリ痛むことがありますが、無症状の場合もあります。
●味覚障害
アレルギー反応が舌の表面の味の受容体(味蕾)に起こると、味が分かりづらくなることがあります。
●掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは手のひら、足の裏に多数の膿疱ができる難治性の慢性炎症性疾患です。膿疱は数日で乾燥し、黄褐色となりぽろぽろと皮がめくれてきます。 爪にも膿疱が出来ることもあり、爪が分厚く変形したり、褐色に変色することもあります。掌蹠膿疱症はウイルスや細菌によって起こるものではないため周りの人にうつることはありません。また、家族で体質が似て発症することはありますが、遺伝することはないといわれています。
●アトピー性皮膚炎、湿疹
アトピー性皮膚炎、いわゆるアトピーは、花粉症などのアレルギー疾患とともに増加しています。アトピー性皮膚炎の原因としてダニやハウスダストなどが有名ですが、改善が見られない場合は、歯科材料が影響している可能性があります。アトピー性皮膚炎の治療は、現在もなおステロイド外用剤を中心とした対症療法ですが、最も大切なのは原因を見つけ出し除去する事です。
もともとアレルギー体質の人、花粉症や喘息、食物アレルギーなどがある人、またはアレルギー体質の人が家系にいる場合には金属アレルギーになりやすい傾向があります。
ずっと治らない原因不明の皮膚のただれや湿疹などで悩んでいる人はもしかしたら歯科金属アレルギーが原因かもしれません。
金属アレルギーの方にはメタルフリー治療をオススメします。→メタルフリー治療(ノンメタル治療)